有限会社  コアハウス

クロストーク

(  Cross talk  )

広島県府中市の若葉家具様の本社ビル全館リノベーションプロジェクト。設計・監修は家具デザイナー小泉氏を迎え、コアハウスが施工を担当しました。プロジェクトを振り返りながら、デザインから施工に至るまでのこだわりや道のり、今後の展望について語りました。

  • 小泉 誠 / 家具デザイナー

    小泉 誠 / 家具デザイナー

    デザイナーの原兆英・原成光両氏に師事後、1990年Koizumi Studio設立。建築から箸置きまで、生活に関わる全てのデザインを手がける。日本全国のものづくりの現場を巡り地域との協働を続けている。

    Koizumi Studio

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  • 井上 隆雄 / 若葉家具 代表取締役社長

    井上 隆雄 / 若葉家具 代表取締役社長

    1947年創業の府中家具メーカー「若葉家具」三代目社長。暮らしに寄り添う“道具”としての家具だけでなく、“家”そのものを「家具」と捉え、暮らし全体を見据えた提案を行う。小泉氏とは長年にわたり家具づくりを協働。

    わかばかぐ

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    • 千葉 大輔 / コアハウス 代表取締役社長

      千葉 大輔 / コアハウス 代表取締役社長

      暮らしの本質(コア)=人の真ん中にあるものを大切に考える住まいづくりと、自然素材を使った心ほぐれる空間づくりを提案。一級建築士として設計から施工まで一貫して手掛ける。

    • 住宅施工で実感した職人技術の高さが、
      ビル建築の依頼を決めるきっかけとなりました。

      住宅施工で実感した職人技術の高さが、ビル建築の依頼を決めるきっかけとなりました。

      ――― 三者の出会いの経緯と、若葉家具本社のリノベーションをコアハウスさんに依頼した理由を教えてください。

      井上:小泉さんには長年家具のデザインを依頼してきました。本社をリニューアルするにあたり、魅力的な空間づくりをするために今回もお願いしました。

      コアハウスさんには、実家の施工をしていただいたことがあります。住宅を得意とされる工務店なので、ビル建築をお願いして大丈夫かなと考えたのも事実。ただ、職人技術の高さに信頼感を持っていたのでお願いしました。

      千葉:当社は住宅施工がメインなので、住むことに関しては自信を持って「やれます!」と言えるのですが、大きな建物は経験がなく…。ですが、管理や法規的な部分も任せていただき、何とか完成にこぎつけることができて良かったです。当社の監督が大きなビルを施行する工務店に在籍していた事もあり、その経験と知見を活かして、しっかり話し合いました。

      大工の技術には自信がありますし、せっかく信頼して任せていただいたので、「踏ん張ってやっていこう!」と。従業員と会社の成長に繋がるとても良い挑戦でした。

      リニューアルしたショールーム「わかばかぐ

      JID AWARD2024のインテリアスペース部門で銅賞を受賞。全国から応募が集まる権威ある賞で、施工した建築が評価されたことは大変嬉しかったです。

      また、architecturephotoにも掲載されました。(千葉)

      ――― コアハウスさんに依頼してみてどうでしたか?

      小泉:ものづくりは、チームでやっていかないといけないんですよ。なぜその建物を作るのかを共有していると、「空間はもっとこうしましょう」といった話もできる。僕は図面を描けば済むけれど、それを形にしていくには色んな方法があります。コミュニケーションが取れているからこそ、結果的には費用も抑えられるし、良い仕事ができる。三者に信頼関係があるからこそ、お互いがリスペクトし合えて、すべてが足し算になるような、とても良い状況が整っていましたね。

      井上:さまざまな専門会社が関わってくださるのですが、皆さんとコアハウスさんとの間に信頼関係がある。小泉さんはチームを大事にされるので、専門会社が揃う場で、デザインの意図や理由について説明をしてくださるんです。最初は「デザインの先生に呼ばれたから…」という感覚で参加されたと思いますが、回を重ねるごとにチームの関係性が深まるのを感じました。周囲を巻き込む小泉さんの力と、関わってくださったみなさんの人柄のおかげだと思います。

      小泉:もともと千葉さんチームの方々がとても良かった。類は友を呼ぶっていいますけど、ものづくりに興味がある人が集まっていましたよね。電気屋さんなんか異常にね(笑)僕ら以上に考えてくれて、「こっちの方が美しいんじゃないか」と提案してくれたり。千葉さんの仕事では日々そういう言葉が行き交っているからこそだし、職人さんの意識も高い。

      井上:大前提は空間のデザイン・設計がありきなんですけど、それに伴う工事なので、細かな所まできっちりと仕上げてくださったなという印象です。

      小泉:良い関係だから、工事と関係ない打ち合わせにも千葉さんは参加してくれるんですよ。この店(わかばかぐ)をどういう風にしていくかという運営の話にも入ってくれて。施工をお願いするだけでなく、前段階から一緒にいてくれたのはすごくありがたかったです。

      ――― 小泉さんから見てコアハウスさんはどんな工務店ですか?

      小泉:見ての通り、人柄が魅力ですよね。誠実さがにじみ出てる。業務に対しても同様で、本当に的確な提案をしてくれるんですよ。真面目な人柄で、相談したいなって思える人。だから、井上さんとの工事中の会話の中に「コアハウスさんに相談してみよう」というのがよく出てくるんです。「プロの意見を聞いてみたいね」という話が出てくるのは、千葉さんのお人柄なんですよね。

      小泉:社内の監督さんや大工さんも同じ。途中で変更のお願いをすると、嫌な顔をされることもある。でも、コアハウスの監督さんは「わかりましたー!」って言ってくれるんです。「本当にできるんですか!?」って聞くと、「わかりませーん!」って(笑)。まずはやってみようっていう人たちなんですよ。

      井上:コアハウスさんはビル建築を手がけたことがないということだったので、監督さんに「大丈夫ですか?」って聞いたことがあるんです。そしたら、「大丈夫です!」って。そんなふうに言われたら、「そっか、大丈夫か」みたいな。そんな感じです(笑)。

      小泉:それってすごく大事なこと。誠実で礼儀正しい。お互いをリスペクトし合える良い関係が生まれたのは、そこだと思いますね。

      職人、建築家、デザイナーが集う“わざわ座”に参加し
      ものづくりの新たな可能性を知った。

      ――― 小泉さんが代表を務め、井上さんと千葉さんが参加されているという「わざわ座」について教えてください。

      小泉:僕が地域を回ってものづくり企業と関わる中で、大きな問題を感じたことがきっかけ。作る人が楽しそうに仕事をしていないんですよね。それをある工務店さんと話していたら、大工さんも同じで、プロとしての仕事やプライドを感じることがないと。

      「顔と顔の見えるものづくりをしましょう」というのが簡単なコンセプト。職人、建築家、デザイナーがわざわざ集い、手仕事の新たな可能性を広げることを目指すプラットフォームです。職人が手仕事でつくる家具や生活道具をデザイナーが計画し、工務店が住み手に手渡す。顔と顔の見える関係だから、共感と愛着を持って大事に使ってもらえる。

      小泉:想いを持って集まるから、とにかく学ぶことが多い。他社の考え、広報や営業の仕方、ものの作り方などの技術的なことを共有する勉強会みたいな活動ですね。わざわざやろうよっていう、余計なことをやろうっていうのが趣旨なので。

      千葉:井上さんと小泉さんから吸収できることがたくさんあり、「わざわ座」に入る機会もいただきました。今まで知らなかった分野に枝葉が伸びていくような感覚を覚えたので、話を聞くだけでも自分のためになるだろうなと思って参加をさせていただきました。

      小泉:千葉さんは施工や運営の打ち合わせをするときと同じで、とても貴重な意見をポーンって投げてくれますよね。

      井上:的を射た良い意見を出されるんです。

      ――― 活動の中で、印象に残っている出来事はありますか?

      千葉:わざわ座の取り組みの一つに「大工の手」というものがあります。木の家を建てた大工が、誠実な素材でその家に似合う家具をつくり、家とともに永く愛着を持って使ってもらうというもの。当社でも、テーブルなどの家具を家の材料で作ってお渡しするようになったのですが、すごく喜ばれるし、大工さんとお客様の間に会話が生まれ、距離が近づく。コミュニケーションやつながりが生まれる仕掛けとしてはすごくよかったです。

      小泉:テーブルを納めたら、「良いイスもほしいわね」って言われたそうですね。手仕事に触れることで、一人ひとりの意識が変わってくるんだと思います。

      造作キッチン デザイン:小泉誠+Koizumi studio / 扉製作:わかばかぐ / 施工:コアハウス

      造作キッチン デザイン:小泉誠+Koizumi studio / 扉製作:わかばかぐ / 施工:コアハウス

      大工の手デザインコンテスト プリミティブ賞 受賞「キッズチェア」
      脚部デザイン:小泉誠 / 座面・背もたれデザイン:千葉大輔 / 製作:松本信明 

      大工の手デザインコンテスト 小泉誠賞 受賞「下駄ラケット」
      デザイン:千葉大輔 / 製作:松本信明 

      プロジェクトきっかけに会社も従業員もステップアップ
      今後は、建築の面白さや職人の技術を次世代へと伝えたい。

      ――― コアハウスさんの今後のビジョンを教えてください。

      千葉:小泉さんの図面や、「住みながら働く」という今回のコンセプトの一つひとつが勉強になりました。新たな発想が生まれたというか、枠が広がるようなイメージ。監督をはじめ従業員の責任感が強くなった気もします。
      職人たちから、ものづくりにかけるプライドをさらに感じるようになりました。いかにキレイに仕上げるか、丁寧な仕事にするか、難題にチャレンジすることをいとわなくなり、むしろ積極的になりました。レベルアップした人材は会社の大きな財産になり、会社全体としてもステップアップしながら今後も歩み続けていけたら良いですね。

      千葉:建築の面白さや職人の技術を次世代に伝えていくこと、それが僕に課せられた使命のようにも感じています。

      小泉:経営者の人から楽しいとか面白いという言葉が出てくること自体が良いですよね。大切なのは、コアハウスさんのスタッフが、自分たちの仕事を楽しんでいるかどうか。

      千葉:場所作りもしていきたいですね。モデルハウスをリフォームして、自分たちの建物を体感しながら働ける場所をつくりたいなと。なかなか手が回らなかったのですが…。

      小泉:以前一緒に考えたよね。「どうなってるの?」って聞くとプレッシャーになるから言わないようにしてます(笑)。

      千葉:ホームページがようやく形になったので、次は場所作りを進めます!

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