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有限会社  コアハウス

杉の無垢床と暮らして12年|傷と手入れ、住み心地のこと

2026 / 06 / 19 更新

12年目の暮らし

我が家は、コアハウスの木の家です。
私自身が設計し、家族と暮らして12年になります。

無垢の杉の床、杉の梁、杉の柱。
床だけでなく、家全体に国産の杉を使った住まいです。

今日は、設計者としてだけではなく、まず一人の住まい手として、12年使った杉の床が実際どうなったかをお話しします。

傷のことも、手入れのことも、正直に書きます。


杉の床は、家じゅうが居場所になる

設計者として、私は「家の中にどれだけ多くの居場所をつくれるか」が、住み心地に直結すると考えています。

その意味で、床は特別な素材です。

我が家は5人家族。
決して大きくない30坪の家ですが、今のところ過不足なく暮らせています。

理由のひとつが、床そのものが居場所になっているからだと思います。

大人も子どもも、ソファより床で過ごす時間の方が長い。

寝転んだり、座って遊んだり、本を読んだり。
椅子やソファのような「決まった居場所」だけでなく、床全体がゆるやかな居場所になる。

杉の床の、温かくやさしい肌ざわりが、それを自然にしてくれています。

どこでも居場所になる床素材というのは、他に代えがたい価値だと感じています。

小さな子どもや年齢を重ねた家族ほど、床に近い暮らしになる

杉のような針葉樹の床には、もうひとつ大きな良さがあります。

足裏の熱を奪いにくいことです。

杉などの針葉樹は、木の中に空気を多く含むため、熱を伝えにくい性質があります。
そのため、冬でもひやっとしにくく感じられます。
やわらかな足ざわりも、杉床の大きな特徴です。

冬の朝、布団から出て最初に触れるのは床です。
そのときに床が冷たすぎないことは、毎日の体感として大きいと思います。

そして、小さな赤ちゃんや、年齢を重ねた家族ほど、床に近い暮らしになります。

ハイハイする赤ちゃん。
床に座って過ごす時間の長い、年齢を重ねたご家族。

そうした家族ほど、床と接する時間が長くなります。

だからこそ、足ざわりがやさしく、冷たくなりすぎない杉床・針葉樹の床は、家族が日々ふれる場所によく合う素材だと考えています。

見た目の好みだけでなく、毎日の体感に関わる素材。
杉の床は、そういう場所に使う価値がある素材だと思います。


12年で、傷は増えました

正直に書きます。
12年で、床の傷は増えました。

子どもが三人生まれ、おもちゃを落とし、引きずり、走り回る。
当然、傷は増えます。

経年で、板の表面が少しまだらに変化したところもありました。

傷とまだらのある床(メンテナンス前)

仕事柄、傷が増えることは最初から想定していました。
子どもがつける傷は、おおらかに受け止めるつもりでした。

それでも一度、アイロン台の金具を引きずって、大きな傷をつけてしまったことがありました。

さすがに「あちゃー」と思いました。

でも、ここからが無垢の床の良いところです。

手を入れると、甦る

傷んだ床に、やすりをかけ、蜜蝋ワックスを塗る。
それだけで、床はきれいに甦りました。

蜜蝋ワックスと、メンテナンス後の床

浮造りのような表情に

表面は、浮造りのように木目が少し浮き立った表情になりました。
浮造りとは、木のやわらかい部分が削れ、木目が浮き出るような仕上がりのことです。

すべすべとした手ざわりに戻り、杉の香りもまた強くなりました。

作業を頑張った甲斐を感じられる瞬間です。

あの大きなアイロン台の傷も、今回の手入れでかなり気にならなくなりました。

我が家のワックスがけは、引き渡し時に会社で1回。
入居後、住まい手として私が3回。

正直に言うと、忙しくしているので4年に一度くらいのペースです。

理想を言えば、もう少しこまめに手を入れられるとよいのかもしれません。
でも、実際の暮らしの中では、なかなかそうはいきません。

皆さんも、きっと同じように忙しいと思います。

「4年に一度でこのくらい」という、ひとつの目安にしていただければと思います。

それでも、ちゃんと甦ります。

ちなみに我が家の杉は、近県の山の国産材です。
運ぶ距離が短いぶん、輸送にかかる負担を抑えやすい。

そういう背景も、木の家の良さのひとつだと思っています。


杉という素材のこと

香り、肌ざわり、手入れのしやすさ。
そして、家じゅうが居場所になること。

12年暮らしてみて、杉は、暮らすという目的にとてもよく合う素材だと改めて思います。

傷がつくことを、欠点と捉えるのか。

手を入れれば甦り、家族の時間が少しずつなじんでいくと捉えるのか。

私は、後者の家を、これからもつくっていきたいと思っています。

森品質という考え方については、こちらでも触れています。
「コアハウスらしさを考える─ 森品質とは」

我が家は床だけでなく、梁も柱も国産の杉です。

壁の塗り壁や外壁のこと。
木の家が何十年先までどう続いていくのか。

そうした話も、いずれ書いていきます。

執筆者 /

代表 千葉大輔

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