【第4回】森と暮らす家 ~私たちの選び方~ 食からはじまる暮らし(後編)
(
2026 / 07 / 25 更新
)

こんにちは。手島です!
森の住まいで紡がれる、暖かなキッチンの風景をお届けした前回の記事。
奥様お手製の果実シロップやお醤油の瓶が並ぶキッチン、家族で囲む食卓、木の家で始まったご家族の時間を垣間見た回でした。
▼前回の記事はこちら [第3回記事:家族の時間は、キッチンで育っていく]
今回は、家族みんなで土と触れ合いながら楽しまれている「畑のある暮らし」、里山ならではの豊かな自然の恵みについてご紹介します。
【今回の記事に登場するIさん一家のご紹介】
・ご家族:ご夫婦・お子さま2人の4人家族
・家づくりの歩み:東京から神石高原町へ移住。「自然に負担をかけない暮らし」を軸に住まいづくりを検討し、コアハウスで薪ストーブのある木の家を新築。
・現在:自然豊かな里山での暮らしを愉しまれています。
畑は、いつでも新鮮な我が家の「大きな冷蔵庫」

手仕事の喜びは、家の中だけでなく、一歩外に出た実家の畑へもつながっています。
Iさん一家は、おばあちゃんやご両親と一緒に畑を共有し、各々が作りたいものを育てて楽しんでいるそうです 。
取材をした3月、奥様は早くも夏に向けてトウモロコシの種を買ってきたと笑顔で教えてくれました 。
「息子が待ちきれなくって。『まだ早い』って言うのに、植木鉢にも植えちゃったりして(笑)。
子どもといると面白いです。本当、毎日『まだかな、まだかな』って畑を見に行くんです。『いつ芽がでるのか、いつ花が咲くのか』って。この子のおかげで、トウモロコシは雄花が先に出て鈴みたいに揺れるんだなとか、雌花がキラッキラして綺麗なんだなって、一緒に発見できています。子どもにとっては冒険というか、楽しいみたいで、そこだけで時間が過ぎていきますね」

▲昨年植えたとうもろこし。雌花のきらきらとした美しさを知ることができたのも、毎日観察をかかさない息子さんのおかげ、と奥様。
畑に実がなれば、その場でトマトを採ってパクリと食べることも 。料理をするときも「トマトがいるから採りに行こう」と、食べる分だけをその都度畑に取りに行くスタイルです 。まさに「畑がそのまま冷蔵庫」のような、贅沢で新鮮な暮らしを体現されています 。

▲取材時にも、キッチンの上には畑から採ってきたばかりの野菜が。
命が巡る小さな奇跡。こぼれ種から育つ野菜たち

さらに面白いのが、日々の暮らしの中で出る生ゴミを捨てずに堆肥として畑に還していることです 。
「かぼちゃや野菜の種が残っていると、それを蒔いたときに勝手に出てくるんです。トマトやカボチャが『これも実になるかな?』って家族みんなでワクワクしながら見守って、『実になったね』って。こぼれ種でそのまま育った小松菜が花を咲かせて種ができ、それがまたこぼれて次の年に勝手に出てきたりするんですよ。それをちょっとずつ摘んだりしています」


▲こぼれ種から育ったカボチャ。花の根元には小さな実が成っている。
自分たちで意図して植えたものだけでなく、自然のサイクルの中で勝手に芽吹き、育っていく野菜たち 。その命の巡りを目の当たりにすることは、お子さんたちにとって「楽しいし美味しい」最高の食育になっています 。
冬の台所を支える、薪ストーブの美味しい魔法

そんな畑の恵みをさらに美味しくしてくれるのが、家の中心にある薪ストーブです 。

Iさん邸のイエルカさんの薪ストーブにはオーブン機能が備わっており、冬の間は暖をとりながら、さまざまなストーブ料理が台所と食卓を賑わせました 。

「ピザ生地をみんなで作って焼いたり、焼き芋や焼きりんごもしました。天板の上にお茶を置いておけば、いつもあたたかい状態で飲めます。家族が遊びに来てくれた時にも、せっかく火が点いているので一品サッと作れたのが良かったです。」

ご主人様も「焼きりんごにクリームチーズとはちみつをかけて食べたのがすごく美味しかった!」と絶賛 。
写真は残っていないそうですが、あまりに美味しそうなので、インタビューした私も思わず食べたくなってしまいました(笑)
火を焚いている間に料理もできるという、一石二鳥の使い心地を楽しんでいらっしゃいます 。
おもちゃはいらない。自然が教えてくれる大冒険

豊かな里山の環境は、食育だけでなく、お子さんたちの感性もぐんぐんと育んでいます。
幼稚園にお迎えに行き、子どもが「川に行きたい」と言えば帰り道に寄り道をし、夕方は畑で遊ぶのが日常です 。
「この前も『サワガニ取りに行く!』って大騒ぎするんで一緒に取りに行って。釣りがしたいと言う時は、それに付き合い(笑)帰りに畑に寄って、帰って料理して…
外にいけばおもちゃなんて何もいらないです。泥だらけになって遊んでいます」

薪ストーブ用の薪を割っていると、中からカミキリムシの幼虫が出てくるハプニングもあるそうですが、お子さんはそれを大事そうに集めて「育てる!」と目を輝かせるのだとか 。
カエルを捕まえて「友達だ」と言って家に連れて帰り、しばらくして自然に還してあげることもあるそうです 。

「よく見たら気持ち悪い虫もいますけど(笑)、子どもが可愛いと思っているものを無下にはできないですよね。すべてを経験だと思って、大目に見ています」

▲玄関先に置かれた水槽にも、川の生き物が。
便利なものがあふれる現代だからこそ、あえて土や火に触れ、自然の中で生きる実感や喜びを見出すこと 。
自然に生かされ、調和していくIさん一家の暮らしぶりは、私たちが目指す「環境と共に生きる家づくり」そのものの姿でした 。
・つづく・
次回(第5回)は、 「家族の暮らしを変えた家」にスポットを当て、東京からのUターンのこと、家づくりのきっかけ、これから想い描く暮らし についてご紹介します。どうぞお楽しみに!
<この住まいの施工事例>
<「森と暮らす家」ブログシリーズ初回はこちら>
【第1回】森と暮らす家 ~私たちの選び方~ 薪ストーブと森の住まい(前編)
<関連記事>
福山・備後へ移住やUターンを考える前に

執筆者 /
テシマ
次に、できること。
お急ぎの方は、お電話でも承っています。
phone_in_talk084-958-3111
一覧に戻る