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有限会社  コアハウス

【第6回・最終回】木の家で始まった暮らし、今とこれから|森と暮らす家〜私たちの選び方〜

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2026 / 10 / 16 更新

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こんにちは。手島です!

(※こちらの連載を初めてお読みになる方は、ぜひ第1回の記事からご覧ください)

東京から神石高原町への移住と、大らかな自然の中での子育てについてお届けした前回の記事。いよいよ今回が、Iさんご家族の「森と暮らす家」連載の最終回となります。

これまで、家づくりの過程やコアハウスの「木の家」との出逢いについて伺ってきましたが、最終回は「家が完成した現在の暮らしと、その先」にフォーカスします。

新しい住まいが、ご家族の日常にどのような変化をもたらし、これからどんな未来を描いていくのか。お施主様の生の声とともに、リアルな暮らしの様子をお届けします!

■ 家族の未来を見据えて。コミュニケーションを育む「リビング階段」

「家を建てる時に大切にされたことはありますか?」という質問に、奥様が「階段の向き」と答えられました。

住まいの設計において、私たちが大切にしたことの一つが「家族の気配を感じられる空間づくり」です。今回その象徴となったのが、リビングに設けられたオープンな階段です。

実は最初のプランでは登り口が180度反対(玄関側)でした。

このプランでは、階段下の収納スペースがキッチン側に多く取れるので、キッチン近くにパントリーを作ることができます。便利な反面、子どもたちが学校から帰ってきた時に、2階の子ども部屋へ直行する動線ができてしまうのが、少し気がかりでした。


プランを進めるうちに、「年頃になった息子とも、ちゃんと顔を合わせられるようにしたい」という奥様の希望から、階段の登り口をキッチン側へ変更。子どもたちが2Fへ上がる際には、必ずキッチンに立つ家族と顔を合わすような動線へと変えたのです。

▲キッチンから見た階段。左の廊下の先は玄関。

ちょっとした違いですが、毎日自然と「おはよう」や「ただいま」「おかえり」という会話が生まれやすい配置です。

そんな経緯を経て出来上がった階段は、今ではただの通路としてだけではなく、家族の大切な「居場所」になっているのだとか。

奥様:「階段にプロジェクターを置くと、いろんなところに映せるんですよ!

明るい時間は影になる廊下側の壁に映してみたり、暗くなれば障子側の壁に向けて映したり… オープンな階段は、最初は子どもが落ちたらどうしようとか心配もありましたけど、それなりに危なくないように降りてくれてるし、使ってみたらこの形で良かったなぁって思いました。」

プロジェクターで映像を観る時には、お子さんが二人並んで階段に腰掛け、足をブラブラさせながら特等席として楽しんでいるのだとか。

時には食べ物を持って行って、仲良く二人で映画鑑賞、なんていう微笑ましいシーンも。

奥様:「親としては、汚さないでよー!って思うんですけど…(笑)、まぁでも、いい感じです(笑)」

「顔を合わせたい」という設計時の願いが、こんなにも可愛らしい日常の風景として形になっていること。私たち作り手にとって、これほど嬉しいことはありません。

■ デジタルと心地よい距離感。葛藤から生まれた、子どもの「自分で決める」力

現代の子育てにおいて、多くの方が悩む「デジタルとの付き合い方」。

Iさんのお宅ではテレビを付けっぱなしにしない工夫もされているそうですが、YouTubeなどの動画は子どもたちも大好きだそうです。

取材の場に同席した設計の千葉も、3人の子どもを育てるパパとして、このテーマには悩んでいるよう。

千葉:「うちの子どもは YouTube 観たいっ!て癇癪起こすくらいなんです。Iさんのお家ではどれくらい観させてますか?時間を区切ったり?」と興味津々。

奥様:「私も以前は、けっこう口うるさく言っていたんです。でも、そうやって言うことにあまりメリットを感じなくなってきて…。ただ『ずっと観ているとお母さんは不安だよ』ということだけは子どもに伝えてました。そうしたら最近、子ども自身から『じゃあこれでやーめよ』って切り上げるようになったんです。もちろん、ずっとダラダラ観てる時もあるけど、毎日じゃないのでいいかなって。そんな感じで今は構えられるようになってきました。」

完全に禁止するのではなく、親の想いを伝えた上で、子どもの自主性に任せてみる。

Iさん家族の場合、上のお兄ちゃんは自分が満足するまで観たら自然と動画から離れ、お絵かきや工作など、別の好きなことを始めるようになったそうです。

「黙々と何か作ったり絵を描いたりするので、この子にとっては動画見る時間も大事なんだなって、今は思うようにしていて。私があまり言わなくなったからなのか、以前ほどダラダラ観ることはなくなったような気がします」(奥様)

とはいえ、『口出しせずに見守る』というのは、親としてはなかなか根気がいることですよね。
Iさんのお子さんにこのような素敵な変化があった背景には、ご両親の信じて待つ姿勢に加えて、動画以外にも夢中になれるものが日々の暮らしのすぐそばにあることも関係しているのかもしれません。

一歩外に出れば泥だらけになって遊べる畑や川があり、家の中ではリビングに隣り合う和室いっぱいに段ボールを広げて、工作やお絵かきに没頭することもあるそうです。(こんな時、畳っていいですね)

▲お兄ちゃん作、段ボール箱で作った飛行機(ちゃんとプロペラが回るのがポイント!)。「よく考えられてるなぁ!」と子どもの発想に驚かされることもしばしば。「また次の遊びに使うかも…」と思うと、なかなか段ボールが捨てられないそうです(笑)。

畑や川で遊んだり、家の中で工作に夢中になったり。動画も、自然遊びも、ものづくりも、さまざまな楽しみを行き来している子どもたち。
のびのびとした環境の中で、「自然」も「デジタル」も子どもを育む遊びの一つとして考える。そんな心の余裕が、この暮らしで生まれたのかもしれません。

■ 「うちが素敵じゃん」 旅行に行かなくなった家がもたらす心の余裕

Iさん夫妻から伺ったお話の中で、私たちが何より嬉しかったエピソードがあります。

以前は、気分転換のために一棟貸しの宿へ泊まりに行くこともあったというご家族。しかし、この家で暮らし始めてからは、「最近旅行に行かなくなったね」とご夫婦で話されているそうです。

ご主人:「今は『うち、素敵じゃん』みたいな(笑)。前の家の時は旅先で気分転換や心地よさを味わったりしてたけど…今は家の方がいいからここでいいじゃん!ってなるんです」

▲書斎で寛ぐご主人。いつか漫画部屋にしたいという野望も(笑)

▲暖かい陽の光を浴びながら洗濯物を干すのが、奥様お気に入りのひととき。ブラインドを開けて外の景色を眺めると、心地よく1日がスタートできるそう。

▲プロジェクタールームとして使う予定だった小屋裏は、現在は子どもたちの秘密基地に。

インタビューの終盤、「今の暮らしの良さを一言で表すとどういう言葉になりますか?」とお伺いすると、

奥様:「なんだろう、「豊か」とか…「心地いい」「穏やか」「ほっとする」みたいな…安心感?」

ご主人:「確かに、安心感はあるね。あたたかい。とにかく、あたたかい。気持ちもあたたかくなるし。色んなあたたかみがある。」

奥様:「家族が穏やかに過ごす時間がかなり増えました。昔だと、もっとイライラする場面も多かった。住みづらさとか不自由さがぶつかることもあったけど、今はみんなが心地よく暮らせているんだなって。家って大事だなぁって思いました。全然一言じゃなくなりました(笑)」

温かい言葉をたくさんいただき、こちらも感無量です…!

ちなみに、居心地が良すぎるがため、実は「2階や押し入れの中とか、正直片付いてなくて。心地いいので、作業が一日ストップしてしまうこともあるんです(笑)」

という微笑ましい裏話も。

きれいに整ったところだけではない、そんな肩の力の抜けたお話まで聞けたのも、今回の取材の嬉しいところでした。

■ 手を入れながら、未完成の「余白」を愛おしむ未来へ

家は完成した時が終わりではなく、暮らしながら少しずつ育っていくものだと思います。

Iさんご家族の「森と暮らす家」には、まだまだこれから自分たちの手で作り上げていく「余白」がたっぷり残されています。

▼お引渡し後に加わった植栽たち

「自分たちらしさを詰め込んでいきたいというか……手作りもそうだし、庭づくりや畑との繋がりもそうだし。色々なものと繋がって、大切なものを増やしていきたいです」

そんなお言葉をインタビューの最後にIさんが話されました。

暮らしながら少しずつ手を加え、自分たちらしさを詰め込んでいく。そんな未完成の余白を愛おしみながら、10年、20年先にご家族がこの木の家と一緒にどのように変わっていくのか、私たちも本当に楽しみでなりません。

■ おわりに

全6回にわたってお届けしてきた、Iさんご家族の移住と家づくりのストーリー、いかがでしたでしょうか。

取材を通して改めて感じたのは、家は住まう人の日々、人生に大きく働きかけるということ。朝起きた瞬間の気持ちの良い空気。お気に入りの場所が増えたり、家族の過ごし方が変わったり。そんな瞬間の積み重ねが、未来の自分を作ります。そして、お引渡しした住まい手様のその後の暮らしをお伺いすると、住まうひとによって、家もまた、完成すると思うのです。私自身もそんな木の家に暮らし始めて1年半になるのですが、何十年か先、家も、私たちも、どんな表情に育っているんだろう…?なんて思いました^^10年、20年…いや、50年先でも、木の家なら、きっと家族の歴史を温かく、おおらかに、そして味わい深く刻んでくれていると思います。

私たちコアハウスも、改めて家づくりについて考える機会をいただきました。
これからもこの「森と暮らす家」を末永く見守り続けていきたいと思います。快く取材にご協力いただいたIさん、本当にありがとうございました!

そして、最後まで連載にお付き合いいただいた読者の皆様にも心より感謝申し上げます。移住や木の家づくりを考えている方にとって、ご自身やご家族らしい暮らしを考えるきっかけになれば嬉しいです。

それでは、また次回のブログでお会いしましょう!


▼前回の記事はこちら
>【第5回】大らかな自然に導かれた移住と家づくり


▼写真で見る!Iさんご一家の住まいルームツアー(施工事例)
>火を囲み、人が集まる森の家(施工事例・ルームツアー)

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執筆者 /

テシマ

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